この度、Netflix10周年記念イベントに登壇する機会をいただきました。
いつも応援してくださる皆さんのおかげです。心から感謝しています、本当にありがとうございます。
さて、今回は以前からよくご質問いただく、恋愛リアリティ番組『あいの里』への出演について、俳優の僕がどういう想いで臨んだのか、少しだけ振り返ってみたいと思います。
恋愛リアリティ『あいの里』とは何だったのか
「俳優として、リアリティ番組は全く違うものでは?」とよく聞かれます。
でも、僕にとって『あいの里』は、普段の映画づくりと目指すところがほとんど変わりませんでした。
なぜなら、映画で恋愛を演じる時も、相手の女優さんに本当に恋をして、愛を感じなければ、観客にその想いは届かない。嘘は必ず見抜かれてしまうものです。
それは『あいの里』でも同じでした。
自由度は高いけれど、そこで生まれる関係性は本物でなければならない訳です。
僕にとって『あいの里』は、大ヒットドラマ『男女7人』シリーズのようなものでした。
あの作品で、明石家さんまさんと大竹しのぶさんが実際に恋愛し、ご結婚されたように、共同作業の中で本物の恋が生まれる。
それは、俳優として常に求めている「現実とフィクションの境界」で生きるということ。
Netflixが仕掛けたこの「大人の恋愛番組」という実験は、俳優としても、男としても、挑戦しがいのあるフィールドでした。
そして、この番組に臨む上で、まず決めたのが「ハリウッド」というニックネームです。
これは僕にとって、一種の“役名”でした。
「ハリウッドだし、仕方ないな」
「ハリウッドだから、違うなー」
この響きが、僕に機動力と行動力を与えてくれたんです。『太陽にほえろ!』のジーパン刑事のように!
ニックネームが僕のキャラクターを形作ってくれました。
『あいの里』撮影前の秘策:”ハリウッド” の作り方
映画のクランクイン前と同じで、僕は『あいの里』の撮影に入る前の準備がとても楽しかった。
「ハリウッド」というキャラクターをどう表現するか?
カメラがずっと回っている中で、ありのままの自分だけではつまらない。
オーディションで選ばれた個性的な男女の中で、僕が表現したいハリウッドはどんな奴か。
完璧な嘘で固めるのではなく、等身大の自分に少しだけ“キャラクター”を被せる。
これは、映画やドラマでの役作りと似ている部分ですね。
俳優の中には「役作りはしない」と言う人もいますが、僕は今回、あえて「ショー」としての一面も楽しんでやろうと決めていました。
リアリティとショー、この二つをどう両立させるか。
自分自身をプロデュースしていく作業は、とても面白かったですね。
第二回に、つづく。